東 君平(ひがし くんぺい、1940年〜1986年)兵庫県神戸市生まれ。
イラストレーター・切り絵作家・詩人・絵本作家。

16歳から切り絵を始め、独自の世界を確立する。
やなせたかし氏、手塚治虫氏、谷内六郎氏など多くの文化人と親交を深め、イラスト、絵本、童話、広告など各方面で幅広く活躍。
100冊余りの著作があり、代表作に『二十一歳・白と黒のうた』『くろねこかあさん』『はちみつレモン』『心のボタン』『紅茶の時間』等がある。
中でも毎日新聞に15年間連載された『おはようどうわ』は今も多くの方に愛読されている。

1977年、毎日新聞社児童文学賞、第一席。
1978年、詩とメルヘン賞。
1988年、サンリオ美術賞。

東君平

西暦
(元号)
年齢 経   歴
1940
(S15)
0歳 神戸の病院長、東信一郎、マサ夫人との6人兄弟の4番目として生まれる(1月9日)。
1945
(S20)
5歳 戦火により、家を消失。
終戦。
1947
(S22)
7歳 小学校に入学。
1953
(S28)
13歳 雲中小学校を卒業。(52年度)
浜協中学校に入学。
父、信一郎氏、死去。破産、家族離散。
西伊豆の祖母のもとへ、預けられる。
仁科中学へ通う。
1954
(S29)
14歳 静岡県賀茂郡安良里村の遠縁の鰹節工場へ。
働きながら中学校へ通う。
1955
(S30)
15歳 安良里中学校を卒業。
上京。
仕事につくが、うまくいかず熱海の写真屋「トミオカ」に住み込む。
隣の少女、尚美ちゃんと友達になる。「絵描きになったら……」と言われ、切り絵を始める。
1958
(S33)
18歳 絵描きになる決意のもとに再び上京。
築地のニワザキ新聞販売店に勤める。
東中野の坂爪カメラ店に住み込み、DP技術をマスター。
お茶の水美術学院で絵を勉強、中退。
十種類以上の職を転職。
1959
(S34)
19歳 鷺の宮のアパートに部屋を借りる。
秋山カメラ店に勤める。
初めて原稿料を『週刊マンガ』よりもらう。
1960
(S35)
20歳 阿佐ヶ谷に住み、渋谷のカメラ店に勤める。
1961
(S36)
21歳 母の紹介で、堀文子氏に出会い、絶賛される。
雑誌『EQMM』『こどものせかい』に作品が載る。
1962
(S37)
22歳 『漫画読本』(文藝春秋)でデビュー。
1963
(S38)
23歳 数回の入学・中退・転入を繰り返したすえ、盆進高校を卒業。
『漫画読本』グラビア特集「ぼくらは森の音楽家」と、『EQMM』「ショート・ショート」の挿絵が「第九回文藝春秋漫画賞」の候補作品となる。
谷内六郎氏の後押しにより、新宿・伊勢丹ギャラリーで初めての個展「白と黒の世界」開催。
杉本英子と結婚。
1964
(S39)
24歳 英子夫人と共に渡米。
ニューヨークで東(あずま)氏に、シルクスクリーンを学ぶ。
アブストラクト・アートを試みる。
日本に作品を送りながら精力的に創作する。
帰国。
銀座・松屋にて、第2回個展開催。(アメリカ帰国記念)
至光社より、絵本『びりびり』を処女出版。
1965
(S40)
25歳 長崎に取材。
長女・菜奈、誕生。
帰京。
東京イラストレーターズ・クラブの創立メンバーとなり、毎年展覧会を開催。
1966
(S41)
26歳 渡欧。フランス、北欧、オランダを3ヶ月の長期に渡って旅行。
銀座・松屋にて個展開催。
1968
(S43)
28歳 この年から、毎年、丸善(名古屋・仙台・大阪)で個展を開く。
1970
(S45)
30歳 松屋にて、粘土作品による「101匹ワンちゃん大行進」展、開催。
次女・未奈、誕生。
1973
(S48)
33歳 毎日新聞に「おはようどうわ」連載開始。
イラストレーター廃業宣言。(週刊文春)
1974
(S49)
34歳 『詩とメルヘン』(サンリオ出版)に「くんぺい魔法ばなし」連載開始。
1975
(S50)
35歳 八ヶ岳(野辺山)に、甥の山口進氏とヒメギフチョウを観に行く。この旅がきっかけで八ヶ岳に興味を持つ。
1976
(S51)
36歳 沖縄県西表島を、山口氏、長女・菜奈と、縦断。
「おはよう舎」設立。出版を目指す。
毎日広告賞、第一席・受賞。
1977
(S52)
37歳 銀座・松屋にて「へび年展」開催。商品展示即売。
岡本忠成監督作品アニメ「おはようどうわ」完成。52年度教育映画部門最優秀賞受賞。
「おはよう舎まつり」(安田生命ホール)開催。
松屋に「くんぺい・おはよう舎コーナー」特設。
日本テレビ「遠くへ行きたい」に出演。
収録のため、山口氏、長女・菜奈と、北海道大雪山にウスバキチョウを探しに行く。
『のぼるはがんばる』で、毎日新聞社児童文学賞、第一席・受賞。
1978
(S53)
38歳 アフリカ旅行。
第4回「詩とメルヘン賞」受賞。
1979
(S54)
39歳 銀座・松屋で開催された「スポンサーのない 80カレンダー展」に「豆本カレンダー」を出品。
1980
(S55)
40歳 杉浦範茂、寺村輝夫氏らと、2度目のアフリカ旅行。干ばつによる動物の激減に、胸を傷める。
1981
(S56)
41歳 「くんぺいごしちごアフリカえほん」を自費出版。売上金をアフリカ難民のために寄金(毎日新聞社を通して)。
1984
(S59)
44歳 『ちびねこミッシェル』が課題図書に選ばれる。
1985
(S60)
45歳 長崎に講演旅行。
1986
(S61)
46歳 ハワイへ家族旅行。
神戸へ母と旅行。
スリランカ・モルジブへ家族旅行。
肺炎のため、京橋病院にて死去(12月3日)。享年46歳。
1988
(S63)
サンリオ美術賞、受賞。
1989
(H1)
山梨県小淵沢に、くんぺい童話館、完成。